六分の勝ち
三嶺 西熊山間 積雪 定点地観測 地点 2011年1月8日撮影
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■冬山は、積雪の状態で千変万化。
雪山では 雪が多いから時間がかかるのは当然だが、かりに雪が少なくても 雪質 潜り方 支持される層などの有無、天候など さまざまな要素が絡んで 時間が飛び去るように たちまち過ぎていく。
まあ トレースがあれば 楽だが 雪山の楽しみの大部分は トレースのない状態の山を登ることによって えられる場合が多い。
楽しみの多い トレースのない雪山のコースは、無雪期のコースタイムと違って 積雪で所用時間が 読みにくく 不確定要素も 多くなり この先の行動時間の予定が難しい。
しかも 日の短い 冬場。
日没までの限られた時間までに どう安全に配慮して 行動時間を配分するか。
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西熊山 お亀岩間 積雪 定点地観測 地点 2011年1月8日撮影
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■ 2011年1月8日。
三嶺山頂へ 到達した時間も 少し遅かったし、 三嶺山頂から西熊山まで 夏タイムのちょうど倍。2時間かかった。
西熊山 山頂で この先の 時間配分の判断を迫られた。
多少のリスクあっても、やはり天狗塚へ向かうべきか、それとも 確実に ひのあるうちに 林道へ降りてしまうか。
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■ここでの判断は 戦国武将、武田信玄 の言をおもいおこす。
「勝負の事、十分を六分七分の勝は十分の勝なり。子細は八分の勝はあやふし。九分十分の勝は、味方大負の下地なり」
「六分で勝つ」 というのは 戦い抜いた 百戦錬磨の 戦国武将の極意。
古来の戦国武将は長年の経験則として 六分の勝が一番、10の勝ちは 反感や 慢心、有頂天、うぬぼれ、舞いあがり につながるというのは、まさに山でも そのとおり。
山におきかえて ちょっと 安全策というか 「年」をとったような 無難な ところを 選択するのが 結果的に ちょうどいい。
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■ 当初予定の 天狗塚 牛の背まで 完全縦走できなくて すこし 不満をのこすこと。 そうした 一寸 不満が次の山行のモチベーションのために 一番 ためになるのは確か。
雪山に限らず 春夏秋冬 いつも山では「六で勝つ」精神が大切。
十分の勝ちなどは 侮りにつながり痛いしっぺ返しを受けるだけ。
「九分十分の勝は、味方大負の下地なり」。
何事も あせらず 慌てず あなどらず 着実に歩むことが大事。
ちょっと 不満で また山へ いつも再チャレンジにつながるのです。
(2011年1月12日)
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趣深山Jimdo20110108