遭難者の残置ザック 11年後



遭難者の残置ザック 11年後

平成16年(2004年)5月2日 徳島県美馬郡つるぎ町 山中にて撮影 (1993年の遭難者の残置ザック)


獣道のルートをたどって 登っていると なにやら 不思議な 残置物。

これは なんだろう。


2004年5月2日 山日記から
「稜線までの途中 残置された サブザック3個を発見。
風化しているが 中に荷物が しっかり入っている。紛失か、遭難者か、少し不気味な感じがする。写真を撮り そのままにして そっと立ち去る。」

http://shumiyama.web.fc2.com/2004/20040502-kurokasa-yahazu.html

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あとで 調べると

ザックが3人分 残置されているのは 平成5年(1993年) 8月25,26日 道迷い遭難者3人 がヘリコプターで救出されたとき のものと 判明。

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「平成5年(1993年) 8月25日午後四時ごろ、徳島市内のアマチュア無線家から通報-----
徳島県警のヘリ「しらさぎ」が現場に急行して捜索に当たり------
2人を救助したが、一人は霧のため救助できなかった。-----
26日午前7時半から「しらさぎ」を出動させて救助に当たる。」

平成5年(1993年) 8月26日 徳島新聞記事より引用

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いまなら 携帯電話が一般的に普及しているが、当時は アマチュア無線。
でも 確実に 連絡がとれて 救助にいたるなど やはり 無線機の威力はすごい。

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次週 平成16年(2004年)5月8日 同じコースを辿ったとき 残置ザックをチラリとみたが、それ以降 この付近 何度も通っていても わざわざ ヤブかき分けてまで 立ち寄ったこともないまま 経年。

山中では 飯場跡 ワイヤー 滑車 など 昔の林業関係の残置物をよくみかけるのと同様 残置物には とくに 気をかけなくなってしまって、ことし 2020年で 発見した記憶自体も 忘れかけていた。

1993年遭難救出時点から すでに27年の星霜をへて 現地では さらに 風化が進んでいるだろう。 (2020年5月31日 記)