京都「大廻り」 84km

今年のトランスジャパンアルプスレース 2010。
四国から参加された グルンさん が 初出場で 無事完走された。

日本海 早月川河口 をスタートし、北ア、中ア、南アを抜け、太平洋静岡大浜海岸まで1週間で走破する とても 過酷なレース。

台風の影響で 悪天候の中、完走だけでも 大変なのに グルンさんの見事な「快挙」を 心から祝福したい。

ところで  それにしても 5日間05時間22分の大会記録更新でダントツ優勝された方。
5日間で合計睡眠時間9時間とか?

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海外のレースなど過酷なものが多いと聞くが、
レースでなくても
ランナーのロングトレール走破記録は一日50マイル以上のもあるようだが歩きのトレッカー Andrew Skurka 氏のロングトレールの踏破記録は注目に値する。

2006年のPacific Crest Trail 2006 - Californiaでは

Total Distance Covered: 1,744 miles
Time on the PCT: 45 d 16 hrs
Pace: 38.2 mi/day
(Horton's Record Pace: 39.5 mi/day)
Weight Lost: 25 lbs | Snow in the Sierra: A lot
Base pack weight: 5.8 to 7.6 lbs

荷物を背負い 雪もあるような山道など含め 毎日60km以上の歩きのスピードはすごい。


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日本国内で もっとも これ以上に過酷なのは色々あるだろうが 荒行で知られる 千日回峰行だろうか?

比叡山 千日回峰行 6年目堂入り、9日間 断食、断水、不臥、不眠不休で勤行。

7年目 年200日のうち 京都大廻り84kmは100日間。ただ歩くだけでなく 読経など勤行しながら。連日 睡眠2-3時間。

草鞋で白装束での荒行。
全く 常人には考えられない世界、ここまでのことができるということか。


大廻り
「午前一時に自坊の玉照院を出発、山上の行者道を通って東塔、西塔、横川をまわり、山下の坂本に下り日吉大社を拝み、再び無勤寺の自坊へ。
この間 三十キロを六時間がかりで歩く。

午前七時、お勤めのあとに朝食。京都大回りにスタート。四明嶽から雲母坂の十キロを駆け下り、赤山禅院でこの日 三度目の草鞋の履き替え。

午前十時、赤山禅院を出発し旧白川通りを南に歩き途中で真如堂、平安神宮など数ヶ所で修法。午前十一時半、東山区栗田口の吉水庵で昼食、休憩。午後零時半、八坂神社から産寧坂を一気に駆け登り清水寺に参拝し、車の波をぬって松原通りを西に歩く。午後一時四十分、六波羅蜜寺を経て堀川通りを北へさらに三条通りを西へ歩き、途中の民家で十分間の休憩。午後三時、出世稲荷から千本通りを北上し、北野天満宮、西方尼寺、上御霊神社へとまわる。午後五時半下鴨神社着。そして午後六時には宿坊の清浄華院に到着する。

赤山禅院を出てからの市中は約四十四キロ。この日、午前一時に出発してより、合わせて八十四キロ歩いたことになる。

宿坊では入浴し勤行が終わるのが午後の九時前後。それから数時間を仮眠にあてるが、午前零時前には起き、朝の勤行をすませて翌午前一時きっかりに宿坊の清浄華院を出発する。前日に歩いた逆コースをたどり、叡山に向かうのである。」
『北嶺のひと 比叡山・千日回峰行者・叡南俊照』
昭和61年初版、平成19年十刷。
はやしたかし、村上 護 著 校成出版社

叡南俊照師は香川県坂出市の生まれ。