人の世は 十年一日

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「 日本経済新聞 「2010年4月18日 春秋 欄」

 「ゲームは、ないと生きていけないわけではない。需要が増え続けるとは限らない」。家庭用ゲーム機の生みの親といわれる任天堂の山内溥相談役は2002年までの社長在任中、こう語っていた。どんなに販売が好調でも冷めていた。

▼娯楽がなくても生活はできるし、任天堂の製品はどうしても必要なものではない。だから、ゲーム機もソフトもよほど面白くなければ買ってもらえない――。そう心得て開発に入念に取り組むのが山内流だった。」

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先進的なIT技術を駆使して いる会社のトップも 冷めた目で時代の流れをしっかり読み取っていた。

昔 ある海外の高級オーディオメーカーの モデルチェンジの新製品は10年に一度のペースであった。

人間の世界は本来、 十年一昔。じっくり構えるべきだ。

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ところが つねに 浮かれているのだろうか?

その点 気になるのはパソコンの世界。

新製品は半年どころか 4半期の季節ごと。

実際 何のために そう頻繁に PCの世界ではモデルチェンジは必要なのだろうか?

確かに パーソナルコンピューターの世界を支配する マイクロソフト社の巧みな戦略が現実にある。

あまり 踊らされたくないのだが 次々と また新しいOSがでては 無理矢理 しかたなく 無理に買い換えを 催促されて、そんなに古くないのに まだ使えるのに 惜しいのに しかたなく というのを繰り返してきた。

MS-DOSの2.11 頃からつきあい始めて、 Windowは 3.1 。95。98。ME。2000、xp。ビスタ、7。

イマイチの評判だった 短命のME、ビスタ。

その度、つまらぬ 多くの時間、労力、金銭を浪費。

確かに変化してきたのだろうが 納得いく進歩というのはどれだけあったのだろうか。 

モデルチェンジは 本当に 良かったのだろうか? 

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PCの世界は長足の進歩を遂げているのだろうが 共に バグという欠陥も 常に満ちあふれている。

リコール隠しといえる 影に隠れて 自動アップデートなどという 知らぬ間にパッチをあてて繕うのは当たり前。

当世問題になる消費者保護の 製造物責任 PL とか、 車でいう欠陥リコール車問題など無いのだろうか。

マイクロソフト社に その都度 もてあそばらされ 翻弄されるのも 馬鹿らしく たまには メインストリームを離れて 別の わが道を行く アップルや リナックスなどで 気分転換なども必要だ。

今後もパソコンの世界は 任天堂の山内溥相談役のような 徹底的に冷めた目で つきあいたい。

人間の世界は本来 十年一昔。 じっくり構えるパソコンの世界。


2010年 04月 19日