ノートパソコン

ノートパソコン

先日 新幹線N700系車両に乗った。

新鋭車両N700系が新しく配備されて、もう3年。初期の配備車両の少なかった頃に比べ、いまでは殆んどの "のぞみ"車両がN700系となった。で、このところ、特に客室内で目立つのはノートパソコン。

N700系では客室の窓際下部に電源コンセントが配置された。
はじめは それほど使われていなかったのが、今見わたせば、窓際席ではノートパソコンで作業している人の割合がものすごく多い。

新幹線は出張で使うビジネスマンが多いが、その移動中、書類、資料を取りまとめなくてはならず、車中で分秒惜しんでパソコン作業をしなくてはならないのだろう。企業戦士といわれるビジネスマンにとっては、たとえ車中でもスケジュールも詰まっているのがあたりまえなのだろう。

そういえば 思い出すのが その昔 ノートパソコンの出だしのころ、電池持続時間は短く、そのころ新幹線車内でえられる貴重な電源といえば洗面室のシェーバー用コンセント。洗面所にいくと、ここでコードを伸ばし充電かねて立ったまま長時間パソコン作業をしていた人も見かけたものだった。

そのうち パソコンの性能は向上し、電池も長持ち、車内で長時間使えるようになってきて、車内でパソコン使用者も増加し、N700系では窓際にコンセントがつき長時間安心して安定的に使えるようになり、パソコン使用者も本当に増えた。

昔 ゆっくり車窓を眺めウトウトゆったり一眠りして ぼんやりして、しばし、頭の切り替えができた貴重な移動時間。

こうしたゆったり時間も、奪われ、車内も とうとうオフィスの延長になってきているのだろうか。

ノートパソコンの進化は、ゆったりとした時間を楽しむことのできる 貴重な「旅の情緒」を味わいにくくする、結果になってしまったといえる。

 

2010年9月29日